Devs/アレックス・ガーランド
Devs – IMDB
美しい映像、斬新なアイディア、俳優の演技、どれも好き。
でも、なんだかな?ってところがあって、『良かった~!』とは言い切れないモヤモヤが残った。
そういえば、アナイアレーションとエクス・マキナの監督でもあったので、映像の美しさはなるほどという感じ。
アナイアレーションの2つのシーンが、前から作りたいと思っていた映像に酷似していてショックだったのを思い出した。自分が観たいシーンを自分で作って満足するのが3DCGを始めた目的だったのだけれど、いつか作りたいと思っていたアイディアが映画の中に綺麗にできあがっていたのでビックリしたわけ。自分の方はモデリング下手でできあがらないし、レンダリングも家のマシンじゃ無理かも、いつかやろうねぇと思っていたから、え!なんて一瞬思ったりもしたわけ。ほとんど思い描いていたアイディアだった。自分にはできていなかった映像が目の前で展開され、表現は僅かに違うし、そのアイディアで自分がしたいと思っていたのとはかなり違うけれど、根本的に同じアイディアだったから、結局は見られて良かったのかもとも思った。で、最後辺りのシーンで登場したアレで何だかしらけてしまったっけ。もっと別な表現だったら良かったのになぁって。
エクス・マキナも最後あたりで 何で安全装置みたいなものを用意してなかったの?しかもバーベルで闘うわけ?ってちょっとしらけて、結末は想像通りだったからがっかりした。だから、そこまではとても好きで何度か見たけど、最後あたりでがっかりだから大満足とはならず、映像を見るだけの映画になった。もう少しなのに。
で、今回のDevsも結局は同じようながっかりがあった。テーマ自体が哲学的な要素たっぷりでどうなっていくのか、興味津々だったけれど、まず素朴な疑問を持ったのが過ぎた事象を映像化するというところで、???それが成功に近づいたという映像を観るシーン、その後の研究が進んでもっとうまくいったというシーン。
その映像化は座標やら何やらの情報でと説明していたと思うけれど、一体その詳細情報はどのように設定するの?というか、その詳細情報自体どこから持ってきたの?地球は宇宙を移動しているのだけれど、その座標は地球の時間軸に沿った位置情報をとれるというのはまだしも、それを映像化するにあたって、その視点はどうなってるの?。カメラはどこ?と素朴に思ったわけ。例えば360度で取得しているの?としても、そのスクリーンに映ったシーンは視点(カメラ)が都合良く移動してズームアップされたり、引いたり、そんな詳細情報ってどうやって見つけたのか?みたいに思い始めたら、何だかな…って。量子なんとかで過去のある地点であったかなかったのかわからない出来事の情報を取得できるの?納得できる説明はあったのに、私が理解できなかった?なんてモヤモヤ。誰か教えてください。
それから、そのようにして映像を見ているからと、あらかじめわかっているなら そこのところ どうなのかな、その辺は見てなかったというわけ?とか、物語の展開が納得できなくて、充分に楽しめなかったなぁ。そして結末もすっきり納得はいかない結末で、何だか私にはどれもこれも、そこまでするならもっと斬新に展開できなかったんだろうかと思ってしまう。あの想像力というか、あの世界観というか とっても好みなのに 上記3本の映画を見た限りでは後半辺りから、え?え?そうするわけ?それで納めちゃうわけ?と、何だかモヤモヤが残念で。。。
『何だかなぁ。もう本の少しで大好き映画になるのになぁ。』か、『映像を見るだけ』という映画の箱をつくって入れておこうって感じ。期待しつつワクワク楽しく見ていて、何か肩すかしされちゃってる感じでがっかりさせられちゃうんだよねぇ。もったいない。3本の中ではアナイアレーションがモヤモヤが少なかった。最後あたりの変なアレは表現としては好きじゃないけれど意味はわかったから。